大阪・中之島の国立国際美術館で開催されているアンドレアス・グルスキー展。
ドイツの現代写真を代表する写真家アンドレアス・グルスキー。会場には1980年の初期作品から2012年の最新作「カタール」まで約50点が独自の構成で展示されている。
印象に強く残ったのは岐阜県飛騨市にあるスーパーカミオカンデのタンクの内部を撮った「カミオカンデ」。ニュートリノを検出するための巨大装置で、構造上、機能上とも<美>とは無縁であるはずの観測施設だが、施設一面に覆われた1000本の金色の光電子増倍管は、通常は人の目に触れることもない地中奥深く満たされた超純水の中で、神秘的な美しさを見せている。グルスキーは普段は見ることのできないこの地下1000メートルにある人造物を、超純水に浮かぶ小さなボートとそっと対比させる。その圧倒的な光景は、それが人の手によって作られた人造物ということをしばし忘れさせる。
大阪・中之島で
FUJIFILM X-E2 XF 35mm F1.4