2015-01-03

2015年


 2015年がはじまった。いつもは自分にとってこの一年がどんな年になるのだろうかと考えるが、今年ほど日本が、世界が、どんな一年になるのだろうかと考えたことはない。


FUJIFILM X-T1 XF 18-55mm F2.8-4.0

 
 

2014-12-29

手帳


 
 そろそろ今年も終わる。大晦日前の恒例の儀式は手帳を変えること。この5、6年は「ほぼ日手帳」を使っていたので、毎年、9月にオンラインサイトやLOFTで購入し、この時期になると自動的に変えていた。 24時間、精神的に拘束されているような生活の中で、ほぼ日手帳の持つ「ゆるさ」は自分の心にゆとりとくつろぎを与えてくれていた。

 しかし、この1年、生活リズムがかわり、これまでとは違い自己管理が必要となった。拘束された生活から、自分で組み立てる生活へ。それまでの捻出したようなゆとりとくつろぎは必要なくなり、すべての予定を、ゆとりやくつろぎをも自分で設定できるようになった。
 すると、これまで愛用していたほぼ日特有のその「ゆるさ」が自分の プランニングの思考を止めるようになった。いつしか「ほぼ日」に記入する前に、もう一冊小さなノートで週単位の予定を組み、検討するようになった。

 来年は思い切って週単位を中心とした手帳に変えようと決めた。「見開き一週間バーティカル型」と呼ばれる1日の時間が縦ラインで表されるタイプに。この2ヶ月試験的に使ってみたが、今の自分にはちょうどいい。特に「最優先事項」を中心としたタスクによるスケジューリングをしているので、あらかじめ「最優先事項」を枠取りしやすいバーティカル型はとても使いやすかった。
   それでも「ほぼ日」への未練もある。スケジュールやタスク管理は新しい手帳だが、 日記部分だけは「ほぼ日」にしようかとも思っている。




FUJIFILM X-T1 XF 18-55mm F2.8-4.0

2014-12-15

考え続けること




 選挙が終わった。

 成人してから何度目だろう。
 それでも今回ほど、投票ボックスの前で鉛筆を持つ手が止まったことはなかった。
 家に帰り選挙速報のテレビの画像をぼんやりと眺める。


 遠い未来、過去を振り返ったとき、「あの選挙がきっかけだった」と言われないように、考え続けなければならない。残念だけど。




FUJIFILM X-T1 XF 18-55mm F2.8-4.0

2014-09-27

運動会


数十年ぶりに訪れた小学校の運動会。
大玉転がしに、民謡に組体操。昔と変わらない種目が並んでいてすこしほっとする。



RICOH GR

2014-08-31


 河内音頭の節回しが聞こえなくなった櫓。大阪の夏も終わりに近づく。
 



RICOH GR

2014-08-26

ラムネ



夏が終わろうとしている。
暑さ、豪雨、子どものころ感じたものとは違った夏だった。
夜店で見つけたラムネだけがあのころと同じだった。



FUJIFILM X-E2  XF 35mm F1.4  

2014-08-09

お盆前の台風


 
 この時期の台風は珍しい。お盆と台風の組み合わせに慣れていないのか、街を歩く人々はいつもに比べどこか上の空のような気がする。話すことを聞いても、どこか遠い所での話題のように聞こえる。だからなのか雨が少しの時間でも止めば、その台風が、通り過ぎたように振る舞っている。その台風が、かつて経験したことのないような雨を降らすとしても。



RICOH GR

 
  

2014-07-28

ローカル線


 夏休みがはじまった。

 二人で乗ったローカル線。
 
 いつもと違う時間が流れている。
 
 いつもと違う景色が流れている。




 
 RICOH GR


 

2014-07-18

夏休み


 
 小学校の時の夏休み。渡された宿題の多さに辟易しながらも、明日から始まる特別な時間をどう過ごすのか考えるだけで浮き足立っていた。
   だれもいないプールを前にすると、はるか昔に忘れていたあの感覚を思い出す。




RICOH GR

2014-05-05

ハッシュドポテト



 何年かぶりに朝食をマクドで食べた。
 昔と同じソーセージマフィンとハッシュドポテト、そしてアイスコーヒーを頼む。ハッシュポテトは相変わらずうまい。コーヒーは心なしか昔より美味しくなっているような気がした。
 社会人になったばかりのころ、毎朝のように朝マックを食べていた。店内で食べることもあれば、車の助手席に広げながら食べることもあった。そして新聞に目を通しながら、その日の仕事に思いを巡らしていた。微妙な緊張感とともに。
 あれから何年たったろう。サクサクのハッシュポテトを食べていると、ふとその時の緊張がよみがえり、苦笑した。




大阪市中央区で
RICOH GR

2014-04-07


 こんなに新学期を意識したのは何年ぶりだろう。

 昨年、この場所から写真を撮ったときとは状況も、気持ちも大きく変わった。

 出会うもの、出会う人、初めてのことばかりで戸惑う一方、それを楽しむ自分もいる。

 桜を眺める気持ちもいつもと違う



 大阪・なんばで
   FUJIFILM X-E2  XF 18-55mm F2.8-4.0
 
 
 
 
 
 

2014-03-20

春の匂い


 この季節、難波の街のあちこちからただよってくる鬢付け油の匂い。
 
 甘いが、凛としたその香りは力士の存在感を強め、相撲が神事であるということを思い出させてくれる。

 そして、大阪の春の訪れを毎年知らせてくれる。


大阪市中央区で
RICOH GR


2014-03-14

アンドレアス・グルスキー



 大阪・中之島の国立国際美術館で開催されているアンドレアス・グルスキー展。
 
 ドイツの現代写真を代表する写真家アンドレアス・グルスキー。会場には1980年の初期作品から2012年の最新作「カタール」まで約50点が独自の構成で展示されている。

 欧州の多くの家庭にあるであろうガスレンジを被写体にした「ガスレンジ」、アメリカの100円ショップの店内を切り取った「99セント」、北朝鮮のマスゲームの少女の群像を撮影した「平壌」、人口衛星からの海面や地表の写真を組み合せ加工した「オーシャン」など、スケールの違う被写体の数々に驚かされる。

 どの作品からもかすかに浮かびあがるのが<人々の営み>。それはキッチンの隅にあるガスレンジにともった青い炎であれ、宇宙からの視点であれ、この地球に生きる人々とその生活が、独自の構図と加工で表現されている。
 
 印象に強く残ったのは岐阜県飛騨市にあるスーパーカミオカンデのタンクの内部を撮った「カミオカンデ」。ニュートリノを検出するための巨大装置で、構造上、機能上とも<美>とは無縁であるはずの観測施設だが、施設一面に覆われた1000本の金色の光電子増倍管は、通常は人の目に触れることもない地中奥深く満たされた超純水の中で、神秘的な美しさを見せている。グルスキーは普段は見ることのできないこの地下1000メートルにある人造物を、超純水に浮かぶ小さなボートとそっと対比させる。その圧倒的な光景は、それが人の手によって作られた人造物ということをしばし忘れさせる。




大阪・中之島で
FUJIFILM X-E2  XF 35mm F1.4



 

2014-03-11

あの日から3年


 
 あの日から3年。
 
 あの地震で東北、日本の心は大きく傷ついた。「復興」という声に背中を押されながら必死で前を歩く人々の心の痛みは、どんなに前に進んでも完全には癒えず、奥底にじっと残っている。そして、その悲しみに呼応した人々の心も小さな軋みをあげている。それは自分自身では気がつかなくても。

 午後3時発の松島の島々を巡る遊覧船に乗るつもりだった。海岸線の小さな寿司屋で遅めの昼食をとり、船着き場へ入ろうとした時、午後2時46分を迎えた。

 導かれるように避難したお寺での数日間の日々が、その後の自分の道を示してくれた。光のない闇の中で、一睡もせず我々を見守り続けた若い修行僧。家族の安否が分からず、引きずり込まれそうな不安を、穏やかに、あたたかく受け止めた老僧。ラジオから数分ごとに聞こえてくる緊急地震速報の不穏な和音におびえる中、彼らがそばにいてくれるだけで、そこにいる全員が、自分ひとりではないと感じ、想像もできない圧倒的な現実とかろうじて向き合えた。ただ彼らがそばにいるというだけで。
 
 僧侶らは私に<存在>することのすごさ、大切さを身をもって教えてくれた。そのとき決めた。数々の偶然によって生かされた自分の残りの時間を、傷ついた多くの人々と一緒に生きて行くことを。心に寄り添い、共に生きることを。
 



RICOH GR


2014-03-08

エスカレーター


 東京では左に、大阪では右に立つエスカレーター。広島で生まれ育ったこともあり、どちらが自分にとって自然なのかは今でもわからない。だが、エスカレーターで歩くようになったのは大阪に住み始めてから。

 そんなことを思いながら閉館した大阪・なんばの新歌舞伎座の前を通った。そういえば、日本で最初に劇場内にエスカレーターが設置されたのはこの新歌舞伎座だった。閉館前にみた重厚で豪華な作りが今は懐かしい。



大阪・心斎橋で
FUJIFILM X-E2  XF 35mm F1.4


 

2014-03-03

スーツ


 久しぶりにスーツを着た。
一年前までは一年のうち着ていない日のほうを数える方が早かった。それが今では月に一度あるかないか。袖を通すと身体が勝手にあの当時の緊張や熱気を思い出す。

 街では就職活動中の多くの学生が、希望と不安が入り交じった顔で歩いている。新しいけど、少しだけサイズがあっていないそのスーツ。そのスーツがなじむ頃、彼らはどんな表情で仕事をしているのだろか。              
                                


   大阪・梅田で 
RICOH GR 

2014-02-28

PM2.5



 昨日の雨が、PM 2.5で包まれた街を洗い流してくれたと思ったら、今日は花粉が多いという。

 耐性が強いのか鈍感なのかこれまでは、あまり気にならなかったが、この数日は、なんとなく身体がだるく、口やのどがいがらっぽかった。微小粒子状物質というぐらいなので、直接感じるわけはないと思うのだが、あまりに黄色にくすんだ街中を走っているとそう思う。



RICOH GR

2014-02-24

紙の新聞



 久しぶりに地下鉄御堂筋線に乗ると、新聞を読んでいる人が少ないのに驚いた。昼間の時間帯ということもあったが、ほとんどの乗客がスマートフォンやガラケー。中にはスマートフォンで新聞を読んでいる人もいるのだろうが、紙の新聞をほとんど見ることができなかった。

 日本経済新聞が、約33万人の電子版有料会員のうち、紙の新聞を併読せず、電子版だけの読者の比率が5割(約16万人)を超えたという(昨年12月と1月の調査発表)。それでも、新聞の電子版の流れは止まらないし、その流れを止める必要はないだろう。

 しかし、自分にとっては、物心ついた時から、紙の新聞を読んできたこともあり、今の時点では目の負担や一覧性など機能的な面で紙の方が好きだ。しかし、今後は、電子版を見るデバイスがさらに進化し、紙のそれと同等になった時にはやはり電子版にするのだろうなと思う。それはかつてフィルムとは雲泥の差で「画質」が劣っていたデジタルカメラが、現在のように「画質」が進化し、フィルムカメラと同じように楽しめるようになったように。
 
 そこまで書いて、気がついた。それでもフィルムカメラと同じように紙の新聞は残ってほしいと思っている自分がいることを。



FUJIFILM X-E2  XF 35mm F1.4

2014-02-21

大丸饅頭


 
  「大」の焼き印がユーモラスだ。名前も「大丸饅頭」。百貨店が出している饅頭を食べたのは初めてだった。阪神・淡路大震災前までは大丸神戸店で売られていたが、今は梅田店と福岡天神店で売られているという。

 直径5センチ、厚さ2センチほどのカステラ生地の小さな饅頭。きつね色に焼き上げられたカステラの中には餡。かつては白餡しかなかったらしいが、今は黒餡もある。最近はふわふわした食感の饅頭が多いが、大丸饅頭は小さい中にみっしりと餡がつまっていて、その餡の質感と小振りな大きさのバランスが心地いい。百貨店の中で、1個42円という値段もうれしい。


 
RICOH GR

2014-02-18

風邪



 ここ数日咳が出る。久しぶりに風邪を引いたようだ。大阪市内でもインフルエンンザが流行っているが、それほどひどくはなく、ただただだるく咳が出る。

 野口整体の野口晴哉は著書「風邪の効用」で「大病の人は風邪をひかない」と書いていた。健康な身体は弾力があって、使いすぎて疲労している部分は固くなり、鈍くなり麻痺し、身体の異常や病気も感じなくなり、そんな人は異常に気づかないまま突然、大病で倒れると。そして、風邪を引くと、その鈍い体が弾力を回復するとも。
 
 確かに昔から風邪を引くとつらく、特に病み上がりは、一から身体の動きを点検し動かすしんどさはあるが、治れば、なぜか余計なものが削ぎ落とされたような清々しさも感じる。
 今はその清々しさにはほど遠いが、治った後の風邪の効用を考えると明日がくるのが少しだけ楽しみになる。



 RICOH GR